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ベンチプレスからダンベルショルダープレス適正重量計算機
立位、バーベル、スミスマシン、マシンショルダープレスには使用できません。
| 強度 | 片手重量 | 回数目安 |
|---|---|---|
| 60% | – | 15~20回程度 |
| 65% | – | 12~15回程度 |
| 70% | – | 10~12回程度 |
| 75% | – | 8~10回程度 |
| 80% | – | 6~8回程度 |
| 85% | – | 4~6回程度 |
| 90% | – | 2~4回程度 |
※研究で報告された換算式は、 ベンチプレス6RMからダンベルショルダープレス6RMを 推定する式です。
※1RMや各トレーニング重量は、その6RM推定値をさらに 換算しているため、6RM推定より誤差が大きくなる可能性があります。
※実際に使用できる重量は、フォーム、可動域、 トレーニング歴などによって変化します。
この計算機について
この計算機では、ベンチプレスの重量と回数から、座位ダンベルショルダープレスの推定6RM・推定1RM・トレーニング重量を算出します。
計算の中心には、ベンチプレス6RMからダンベルショルダープレス6RMを予測した研究で得られた回帰式を使用しています。[1]
計算の流れは、
① ベンチプレスの重量と回数を入力
② ベンチプレス1RMを推定
③ ベンチプレス6RMを推定
④ 研究の回帰式からダンベルショルダープレス6RMを推定
⑤ そこから1RMと各強度のトレーニング重量を算出
となっています。
換算の中心となる研究
本計算機で使用している中心的な研究は、Wongらが29名の身体活動を行っている大学生を対象に実施した研究です。[1]
研究では、
- ベンチプレス
- ダンベルショルダープレス
- バーベルカール
- ハンマーカール
- オーバーヘッドダンベルトライセプスエクステンション
について、それぞれ6RMを実測しています。[1]
被験者の平均年齢は22.6±2.5歳、ウェイトトレーニング経験は平均2.9±2.1年でした。[1]
ダンベルショルダープレスは、背もたれが垂直なベンチに座った状態で行われています。腕を頭上に伸ばした状態からダンベルを下ろし、前部三角筋付近まで下げた後、再び肘が完全に伸びるまで頭上へ押し上げる方法です。[1]
したがって、この計算機は主に座位ダンベルショルダープレスを対象としています。
立位ダンベルショルダープレスやマシンショルダープレス、バーベルショルダープレスについては、同じ換算式をそのまま使用できるとは限りません。
ベンチプレスとダンベルショルダープレスには強い関連があった
研究では、ベンチプレス6RMとダンベルショルダープレス6RMとの間に、 r=0.87
という強い正の相関が認められました。[1]
つまり、ベンチプレス6RMが高い人ほど、ダンベルショルダープレス6RMも高い傾向がありました。
さらに回帰分析を行った結果、 ダンベルショルダープレス6RM=ベンチプレス6RM×0.42+5.84
という予測式が得られています。[1]
この回帰モデルの決定係数は、 R2=0.76
でした。[1]
つまり、この研究集団ではダンベルショルダープレス6RMのばらつきの約76%が、ベンチプレス6RMとの線形関係で説明されました。
研究で実測された平均重量
研究における平均6RMは、
| 種目 | 6RM |
|---|---|
| ベンチプレス | 50.10±12.18kg |
| ダンベルショルダープレス | 26.65±5.79kg |
でした。[1]
ただし、この計算機では単純に、 26.65÷50.10
という平均重量の比率を使用しているわけではありません。
研究で実際に算出された回帰式、 DSP6RM=Bench6RM×0.42+5.84
を使用しています。[1]
そのため、すべてのベンチプレス重量に同じ割合を掛けるだけの換算とは異なります。
回帰式の予測誤差について
ダンベルショルダープレス6RMの回帰式では、推定標準誤差が、 SEE=2.87kg
平均絶対パーセント誤差は、 MAPE=7.05%
でした。[1]
また、実測されたダンベルショルダープレス6RMと回帰式による予測値の平均差は0.29kgで、有意差は認められませんでした。[1]
したがって、この研究集団ではベンチプレス6RMからダンベルショルダープレス6RMをある程度の精度で推定できています。
ただし、
誤差が7%程度ある=すべての人について7%以内に収まる
という意味ではありません。
個人によって予測値から大きく外れる可能性もあります。
ベンチプレス1RMの計算方法
研究で直接使用されている回帰式への入力は、ベンチプレス6RMです。[1]
しかし、実際の利用者が必ずしも6RMを把握しているとは限りません。
そのためこの計算機では、入力されたベンチプレスの重量と回数から、まず推定1RMを計算します。
計算式は、 推定1RM=重量+40重量×回数
です。
例えば80kgを8回できた場合、 80+4080×8 =80+16 =96kg
となり、推定ベンチプレス1RMは96kgとなります。
この部分はWongらの回帰式そのものではなく、本計算機でベンチプレス6RMへ変換するために使用しているRM推定処理です。
ベンチプレス1RMから6RMへの換算
次に、推定ベンチプレス1RMから6RMを求めます。
Wongらの論文では、6RMから1RMを推定する方法として、 1RM=0.856RM
という換算が紹介されています。[1]
これを逆にすると、 6RM=1RM×0.85
となります。
例えば推定ベンチプレス1RMが100kgなら、 100×0.85=85kg
なので、
推定ベンチプレス6RM=85kg
としてダンベルショルダープレスの回帰式に入力します。
ダンベルショルダープレス6RMの計算
推定したベンチプレス6RMを、 DSP6RM=Bench6RM×0.42+5.84
に代入します。[1]
例えばベンチプレス6RMが85kgなら、 85×0.42+5.84 =35.7+5.84 =41.54kg
となります。
したがって、研究式による推定ダンベルショルダープレス6RMは、
約41.5kg
です。
ダンベルショルダープレス1RMの計算
研究で直接予測しているのは6RMです。
計算機ではさらに使いやすくするため、その6RMから推定1RMも算出しています。
研究で紹介されている、 1RM=0.856RM
を利用すると、推定6RMが41.54kgの場合、 41.54÷0.85 ≈48.9kg
となります。
このように、 推定DSP1RM=推定DSP6RM÷0.85
として計算しています。
ただし、この1RMは研究で直接測定された予測式ではありません。
研究で直接検証されているのは「ベンチプレス6RM → ダンベルショルダープレス6RM」の部分です。[1]
したがって、DSP1RMはその6RMをさらに換算した推定値となり、6RMそのものより不確実性が増える点には注意が必要です。
トレーニング重量の計算方法
推定したダンベルショルダープレス1RMから、
- 60%
- 65%
- 70%
- 75%
- 80%
- 85%
- 90%
のトレーニング重量を算出しています。
基本式は、 トレーニング重量=推定DSP1RM×強度
です。
例えば推定1RMが40kgの場合、 40×0.70=28kg 40×0.80=32kg
となります。
強度ごとの回数目安
計算機では、一般的な1RMに対する負荷割合を基準として、回数目安も表示しています。
| 強度 | 回数目安 |
|---|---|
| 60% | 15~20回程度 |
| 65% | 12~15回程度 |
| 70% | 10~12回程度 |
| 75% | 8~10回程度 |
| 80% | 6~8回程度 |
| 85% | 4~6回程度 |
| 90% | 2~4回程度 |
ただし、これはWongらの研究で検証されたダンベルショルダープレス専用の反復回数表ではありません。
一般的な%1RMと反復回数の関係をトレーニングの目安として表示しているものです。
そのため、
「80%なら必ず6~8回できる」
という意味ではありません。
筋持久力、フォーム、トレーニング歴、疲労状態などによって反復可能回数は変化します。
この計算機で最も信頼性が高いのは6RM
計算ロジックを整理すると、 入力した重量・回数
↓ ベンチプレス推定1RM
↓ ベンチプレス推定6RM
↓ 研究式によるDSP6RM
↓ DSP推定1RM
↓ トレーニング重量
となっています。
この中で、Wongらの研究によって直接検証されているのは、 Bench6RM→DSP6RM
の部分です。[1]
そのため、計算結果の中では推定ダンベルショルダープレス6RMを最も直接的な研究ベースの数値として考えてください。
1RMや60~90%のトレーニング重量は、その6RMをさらに換算して得た参考値です。
この計算機の対象者
Wongらの研究では29名の身体活動を行っている大学生が対象で、平均ウェイトトレーニング経験は約2.9年でした。[1]
したがって、
- 高齢者
- 完全な筋トレ未経験者
- 非常に高い競技レベルのパワーリフター
- 女性のみの集団
- 特殊なトレーニング歴を持つ人
などに同じ回帰式がそのまま当てはまることまでは、この研究から確認できません。
研究の著者らも、異なる競技背景や性別の集団へ適用する場合には、追加の測定や調整が必要になる可能性を指摘しています。[1]
そのため、計算結果は開始重量やトレーニング重量を考えるための目安として使用してください。
ダンベルの重量表記について
研究ではダンベルショルダープレスの6RM負荷をkg単位で報告しており、平均は26.65±5.79kgでした。[1]
また、動作は左右それぞれにダンベルを持って行う方法です。[1]
ただし、公開本文の表記だけでは、回帰式で示されたkgが左右合計重量なのか、個々のダンベル重量として記録された値なのかを明示的に確認できません。
そのため、現在の計算機で「両手合計→片手÷2」と表示する実装は、論文の数値を利用するうえでの実装上の解釈を含みます。
この点は、計算機の精度に関わるため明記しておく必要があります。
この計算機の限界
この計算機は、ベンチプレスとダンベルショルダープレスの関係について複数研究を統合したメタ分析ではありません。
中心となる換算式は、29名を対象としたWongらの研究で得られた、 DSP6RM=Bench6RM×0.42+5.84
という回帰式です。[1]
さらに、
- ベンチ重量・回数 → ベンチ1RM
- ベンチ1RM → ベンチ6RM
- DSP6RM → DSP1RM
- DSP1RM → 各トレーニング重量
という追加換算を行っています。
したがって、研究で直接検証された6RM予測から離れるほど推定誤差が増える可能性があります。
計算結果は絶対的な適正重量ではなく、
現在のベンチプレス能力からダンベルショルダープレスの開始重量・6RM・トレーニング重量を考えるための参考値
として使用してください。
参考文献
[1] Wong DP, Ngo KL, Tse MA, Smith AW. Using Bench Press Load to Predict Upper Body Exercise Loads in Physically Active Individuals. Journal of Sports Science and Medicine. 2013;12(1):38-43.
