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ベンチプレスからオーバーヘッドプレスの適正重量計算機
プッシュプレス、座位でのプレス、スミスマシン、 ダンベル、マシンショルダープレスは対象外です。
計算式:
推定オーバーヘッドプレス1RM = ベンチプレス1RM × 0.60
| 強度 | トレーニング重量 | 回数目安 |
|---|---|---|
| 60% | – | 15~20回程度 |
| 65% | – | 12~15回程度 |
| 70% | – | 10~12回程度 |
| 75% | – | 8~10回程度 |
| 80% | – | 6~8回程度 |
| 85% | – | 4~6回程度 |
| 90% | – | 2~4回程度 |
※回数は一般的な1RMに対する負荷割合と反復回数の関係をもとにした目安です。 実際にできる回数には個人差があります。
※疲労状態、フォーム、トレーニング歴、オーバーヘッドプレスへの習熟度によっても 反復可能回数は変化します。
※主にトレーニング経験のある男性を対象とした研究データを基準にした推定値です。
この計算機について
この計算機では、ベンチプレスの1RMから、立位・バーベル・脚の反動を使わないストリクトオーバーヘッドプレスの推定1RMを算出します。
さらに、その推定1RMを基準として、
- 60%
- 65%
- 70%
- 75%
- 80%
- 85%
- 90%
のトレーニング重量と、一般的な反復回数の目安を自動計算します。
つまり、
① ベンチプレス1RMを入力
② 推定オーバーヘッドプレス1RMを算出
③ その1RMから各強度のトレーニング重量と回数目安を算出
という流れです。
論文の探索方法
ベンチプレスとオーバーヘッドプレスの関係を調べるため、
- bench press
- overhead press
- strict overhead press
- military press
- 1RM
- one repetition maximum
- strength
- barbell
などの語を組み合わせ、関連研究を探索しました。
特に重視したのは、同じ被験者がベンチプレスとオーバーヘッドプレスの両方を測定している研究です。
別々の研究から、
ベンチプレス平均100kg
オーバーヘッドプレス平均60kg
という数値だけを抜き出して比較すると、年齢・性別・体重・トレーニング歴などが異なる集団同士を比較することになります。
そのため、本計算機では可能な限り同一被験者内で両種目を測定している研究を優先しています。
論文の選定基準
本計算機が対象としているのは、
立位・バーベル・脚や股関節の反動を使わないストリクトオーバーヘッドプレス
です。
そのため、換算基準を検討する際には、
- ベンチプレスとオーバーヘッドプレスを同一被験者が実施している
- 1RMを測定している
- バーベルを使用している
- 立位で実施している
- 脚の反動を使わないストリクトプレスである
といった条件を優先しました。
一方、
- プッシュプレス
- プッシュジャーク
- 座位でのショルダープレス
- ダンベルショルダープレス
- スミスマシン
- マシンショルダープレス
などは、今回の換算対象とは異なる種目として扱っています。
換算基準の中心となった研究
本計算機で特に重視したのが、Dorrellらの研究です。[1]
この研究では、トレーニング経験のある男性16名を対象として、
- バックスクワット
- ベンチプレス
- ストリクトオーバーヘッドプレス
- デッドリフト
の1RMを測定しています。[1]
つまり、今回知りたい
「同じ人のベンチプレスとストリクトオーバーヘッドプレスには、どの程度の関係があるのか」
を直接確認できる研究です。
研究内の群平均からベンチプレスに対するストリクトオーバーヘッドプレスの比率を確認すると、おおむね約60%前後となりました。[1]
そこで本計算機では、 推定オーバーヘッドプレス1RM=ベンチプレス1RM×0.60
を中心となる換算式として使用しています。
ベンチプレスからオーバーヘッドプレス1RMを計算する方法
例えば、ベンチプレス1RMが100kgの場合、 100×0.60=60
となるため、
推定オーバーヘッドプレス1RMは60kg
です。
ベンチプレス1RMが120kgの場合は、 120×0.60=72
なので、推定値は72kgです。
計算機では実際のバーベルで扱いやすいように2.5kg刻みに丸めるため、
72.5kg
と表示します。
オーバーヘッドプレスのトレーニング重量の計算方法
推定したオーバーヘッドプレス1RMを基準として、各強度のトレーニング重量を計算します。
基本式は、 トレーニング重量=推定OHP1RM×強度
です。
例えば、
ベンチプレス1RM=100kg
の場合、 100×0.60=60kg
なので、推定OHP1RMは60kgです。
その60kgを基準にすると、 60×0.60=36kg 60×0.70=42kg 60×0.80=48kg
となります。
計算機では2.5kg刻みに丸めるため、
- 60% → 35kg
- 70% → 42.5kg
- 80% → 47.5kg
と表示されます。
強度ごとの回数目安について
今回の計算機では、重量だけでなく一般的な1RMに対する負荷割合と反復回数の関係も表示しています。
目安は以下の通りです。
| 強度 | 回数の目安 |
|---|---|
| 60% | 15~20回程度 |
| 65% | 12~15回程度 |
| 70% | 10~12回程度 |
| 75% | 8~10回程度 |
| 80% | 6~8回程度 |
| 85% | 4~6回程度 |
| 90% | 2~4回程度 |
例えば、推定OHP1RMが60kgの場合、
| 強度 | 重量 | 回数目安 |
|---|---|---|
| 60% | 35kg | 15~20回程度 |
| 65% | 40kg | 12~15回程度 |
| 70% | 42.5kg | 10~12回程度 |
| 75% | 45kg | 8~10回程度 |
| 80% | 47.5kg | 6~8回程度 |
| 85% | 50kg | 4~6回程度 |
| 90% | 55kg | 2~4回程度 |
となります。
回数目安は固定ではありません
ここは非常に重要です。
「80%なら必ず6~8回できる」
という意味ではありません。
同じ%1RMでも、実際にできる回数は、
- トレーニング歴
- 筋持久力
- 種目への習熟度
- 動作スピード
- 可動域
- 疲労状態
- セット間の休憩時間
などによって変わります。
また、種目によっても同じ相対負荷での反復特性は異なります。
Fahsらは51名を対象に、スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、オーバーヘッドプレスについて、複数の相対負荷で挙上速度を比較しています。[2]
このように、同じ%1RMであっても種目ごとの負荷特性には違いがあります。
そのため、本計算機では、
「75%=10回」
のように1つの回数へ固定せず、幅を持たせた目安として表示しています。
なぜ60~90%を表示しているのか
筋力トレーニングでは、毎回1RMに近い重量を使用するわけではありません。
目的や疲労度に応じて、1RMに対する負荷割合を調整します。
例えば、
- 軽めのフォーム練習
- 中程度の反復トレーニング
- 高強度の筋力トレーニング
では、使用する重量が異なります。
そのためこの計算機では、軽めから高強度まで確認できるように60~90%1RMを表示しています。
ただし、表示された重量そのものを必ず使用しなければならないわけではありません。
実際のトレーニングでは、その日の体調や目的に合わせて調整してください。
トレーニング重量は丸める前の推定1RMから計算しています
計算機では、途中で丸めることによる誤差をできるだけ小さくするため、
- ベンチプレス1RMからOHP1RMを計算
- 丸める前のOHP1RMから各強度の重量を計算
- 最後に2.5kg刻みに丸める
という順番で計算しています。
例えばベンチプレス105kgの場合、 105×0.60=63kg
です。
画面上の推定OHP1RMは、2.5kg刻みに丸めて、
62.5kg
と表示されます。
しかし80%重量を計算するときには、62.5kgではなく、丸める前の63kgを使って、 63×0.80=50.4kg
と計算します。
最後に2.5kg刻みに丸めて、
50kg
と表示します。
他の研究も確認した上で60%を採用
今回の論文探索では、Dorrellら以外にも、ベンチプレスとオーバーヘッドプレスの両方を測定した研究を確認しています。
Fahsらは、男性33名・女性18名の計51名について、スクワット・ベンチプレス・デッドリフト・オーバーヘッドプレスを測定しています。[2]
またFaheyは、男性133名・女性70名の計203名について、ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、スナッチ、クリーン&ジャーク、オーバーヘッドプレスの1RMを測定しています。[3]
Faheyの研究では、体重と各バーベル種目の絶対筋力との間に、男性でr=0.25~0.44、女性でr=0.37~0.50の正の関連が報告されています。[3]
つまり、ベンチプレスやオーバーヘッドプレスの絶対重量には体格の影響もあります。
ただし、これらの研究の公開情報からは、本計算機で必要となるベンチプレスとオーバーヘッドプレスの直接的な換算比率を十分に抽出できませんでした。
そのため、研究数を増やすことを優先して条件の異なるデータを混ぜるのではなく、ストリクトオーバーヘッドプレスを直接測定したDorrellらの研究を中心に約60%という換算基準を設定しています。[1]
60%は絶対的な適正重量ではありません
この計算機で、
ベンチプレス100kg → OHP60kg
と表示されたとしても、
「OHP60kgが挙がらなければ弱い」
という意味ではありません。
実際のベンチプレスとOHPの比率は、
- ベンチプレスの練習量
- OHPの練習量
- トレーニング歴
- 大胸筋の発達
- 三角筋の発達
- 上腕三頭筋の発達
- フォーム
- 可動域
- 体格
- 種目への習熟度
などによって変わります。
ここでいう「適正重量」は、
ベンチプレス1RMから推定した、オーバーヘッドプレスの筋力水準とトレーニング重量の目安
という意味です。
女性や初心者では参考値として使用してください
換算式の中心となっているDorrellらの研究は、トレーニング経験のある男性を対象としています。[1]
一方、Faheyの研究では男性133名だけでなく女性70名についても、ベンチプレスとオーバーヘッドプレスを含む1RM測定が行われています。[3]
ただし、公開されているデータから女性専用のベンチプレス→OHP換算係数を直接作れるほどの情報は確認できませんでした。
そのため、
女性やトレーニング初心者では参考値として使用してください。
この計算機の限界
本計算機は、複数の研究を正式に統合したメタ分析によって作成した換算式ではありません。
関連する研究を探索・選定し、その中でもベンチプレスと立位ストリクトオーバーヘッドプレスを同一被験者で測定した直接研究を中心に、約60%という換算基準を採用しています。[1]
また、表示している回数についても、
各強度で必ずその回数ができることを保証するものではありません。
したがって、 ベンチプレス1RM×0.60
で算出されるOHP1RMと、そこから計算されるトレーニング重量・回数は、
トレーニング開始重量や筋力バランスを考えるための参考値
として使用してください。
参考文献
[1] Dorrell HF, Smith MF, Gee TI. Comparison of Velocity-Based and Traditional Percentage-Based Loading Methods on Maximal Strength and Power Adaptations. Journal of Strength and Conditioning Research. 2020;34(1):46-53. doi:10.1519/JSC.0000000000003089.
[2] Fahs CA, Blumkaitis JC, Rossow LM. Factors Related to Average Concentric Velocity of Four Barbell Exercises at Various Loads. Journal of Strength and Conditioning Research. 2019. doi:10.1519/JSC.0000000000003043.
[3] Fahey TD. Sex-specific allometric modeling and regression-residual normalization for size-adjusted strength assessment. European Journal of Applied Physiology. 2026. doi:10.1007/s00421-026-06276-9.
