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オーバーヘッドプレスからベンチプレス換算計算機
プッシュプレス、座位でのプレス、スミスマシン、 ダンベル、マシンショルダープレスには使用できません。
計算式:
ベンチプレス1RM = オーバーヘッドプレス1RM ÷ 0.60
※実際の比率には、フォーム、トレーニング歴、 種目への習熟度などによる個人差があります。
※主にトレーニング経験のある男性を対象とした研究を 基準にした参考値です。
| オーバーヘッドプレス1RM | 推定ベンチプレス1RM |
|---|---|
| 30kg | 50kg |
| 40kg | 67.5kg |
| 50kg | 82.5kg |
| 60kg | 100kg |
| 70kg | 117.5kg |
| 80kg | 132.5kg |
| 90kg | 150kg |
| 100kg | 167.5kg |
この計算機の換算方法について
この計算機では、立位・バーベル・脚の反動を使わないストリクトオーバーヘッドプレスの1RMから、ベンチプレスの1RMを推定します。
インターネット上では、
- 「オーバーヘッドプレスはベンチプレスの60%」
- 「ミリタリープレスはベンチプレスの70%」
- 「ショルダープレス○kgならベンチプレス○kg」
といった換算値が紹介されることがあります。
しかし、オーバーヘッド系の種目には、
- 立位ストリクトオーバーヘッドプレス
- 座位ミリタリープレス
- スミスマシン
- マシンショルダープレス
- ダンベルショルダープレス
- プッシュプレス
など複数の形式があります。
これらを同じ種目として扱うと、ベンチプレスとの比率が大きく変わる可能性があります。
そのため本計算機では、できる限り条件を揃えるため、立位・バーベル・ストリクトオーバーヘッドプレスを対象とした研究を優先して換算基準を設定しました。
論文の探索方法
ベンチプレスとオーバーヘッドプレスの関係を調べるため、
- bench press
- overhead press
- strict overhead press
- military press
- one repetition maximum
- 1RM
- strength
- load-velocity
などの語を組み合わせ、関連する研究を探索しました。
特に優先したのは、同じ被験者がベンチプレスとオーバーヘッドプレスの両方を測定している研究です。
単純に別々の研究から、
ベンチプレス平均100kg
オーバーヘッドプレス平均60kg
という数値を拾って比較すると、年齢・性別・体重・トレーニング経験などが異なる集団を比較することになります。
そのため、本計算機の直接的な換算根拠としては、同一被験者内で両種目を測定していることを重要な条件としました。
論文の選定基準
換算式の主な根拠として採用する研究は、以下の条件を優先しました。
- ベンチプレスとオーバーヘッドプレスを同じ被験者が実施している
- 1RMを測定している
- バーベルを使用している
- 立位で行っている
- 脚の反動を使わないストリクトプレスである
- 研究内容と測定方法を確認できる
一方、
- プッシュプレス
- プッシュジャーク
- ダンベルショルダープレス
- マシンショルダープレス
- スミスマシン
- 座位ミリタリープレス
などは、立位ストリクトオーバーヘッドプレスとは別条件として扱いました。
例えば、García-Ramosらは男女24名を対象に、ベンチプレスと座位ミリタリープレスを同一被験者で測定しています。[2]
この研究では男性のベンチプレス1RMが94.2±14.6kg、座位ミリタリープレスが67.4±7.8kgでした。[2]
単純比では、 67.4÷94.2≈0.715
となり、座位ミリタリープレスはベンチプレスの約71.5%です。
しかし、この研究の対象は座位ミリタリープレスであり、本計算機が対象とする立位ストリクトオーバーヘッドプレスとは条件が異なります。
そのため、この数値をそのまま換算係数には使用していません。
換算式の中心となった研究
本計算機で特に重視したのが、Dorrellらの研究です。[1]
この研究では、トレーニング経験のある男性16名を対象として、
- バックスクワット
- ベンチプレス
- ストリクトオーバーヘッドプレス
- デッドリフト
の1RMを測定しています。[1]
つまり、ベンチプレスとストリクトオーバーヘッドプレスを同じ被験者で直接測定している点が、本計算機の目的とよく一致しています。
対象者は22.8±4.5歳のトレーニング経験者男性で、6週間のトレーニング前後に1RMテストを実施しています。[1]
研究内の各群・測定時点からベンチプレスに対するストリクトオーバーヘッドプレスの比率を確認すると、おおむね**約58~63%**の範囲となり、中心は約60%でした。
そこで本計算機では、 オーバーヘッドプレス≈ベンチプレス×0.60
を換算の中心値として採用しています。
実際の計算ロジック
オーバーヘッドプレスがベンチプレスの約60%であると仮定すると、 OHP=Bench×0.60
です。
これをベンチプレスについて解くと、 Bench=0.60OHP
となります。
つまり本計算機では、 推定ベンチプレス1RM=オーバーヘッドプレス1RM÷0.60
で計算しています。
倍率に直すと、 0.601=1.6666...
なので、 推定ベンチプレス1RM≈オーバーヘッドプレス1RM×1.67
です。
例えばオーバーヘッドプレス60kgの場合、 60÷0.60=100
となるため、
推定ベンチプレス1RM=約100kg
となります。
計算結果は2.5kg刻みに丸めています
一般的なバーベルトレーニングでは、2.5kg単位で重量を変更することが多いため、本計算機では計算結果を2.5kg刻みに丸めています。
例えばオーバーヘッドプレス80kgの場合、 80÷0.60=133.33...
ですが、計算機上では最も近い2.5kg刻みに丸めて、
132.5kg
と表示します。
そのため、内部計算値と表示重量には最大で1.25kg程度の差が生じます。
なぜ複数研究の平均をそのまま使わなかったのか
今回の論文探索では、ベンチプレスとオーバーヘッドプレスを両方測定している研究は他にも確認できました。
Fahsらは51名を対象として、スクワット・ベンチプレス・デッドリフト・オーバーヘッドプレスの1RM測定を行っています。[3]
また、Faheyは203名の大学年代成人を対象として、ベンチプレス・スクワット・デッドリフト・スナッチ・クリーン&ジャーク・オーバーヘッドプレスの1RMを測定しています。[4]
Faheyの研究では、体重と各バーベル種目の筋力には男性でr=0.25~0.44、女性でr=0.37~0.50の正の関連が認められています。[4]
つまり、ベンチプレスやオーバーヘッドプレスの絶対重量は、体格の影響をある程度受けます。
ただし、これらの研究の公開情報からは、本計算機で必要となるベンチプレスとオーバーヘッドプレスの直接的な平均比率や個人間相関を十分に抽出できませんでした。
そのため、
研究数を増やすために条件の違うデータを無理に混ぜる
ことはせず、現時点で直接利用できるストリクトオーバーヘッドプレスのデータを中心に換算式を設定しています。
この計算機は「メタ分析による換算式」ではありません
今回、関連研究を広く探索し、種目条件や測定方法を確認したうえでデータを選定しています。
しかし、立位ストリクトオーバーヘッドプレスとベンチプレスの1RM比率を直接算出できる独立研究数が十分ではありません。
そのため、
「複数研究を統合したメタ分析によって、OHP=ベンチの60%と証明された」
という意味ではありません。
本計算機の換算値は、
ベンチプレスとストリクトオーバーヘッドプレスを同一被験者で測定した直接研究を中心に、関連研究を探索・選定したうえで設定した研究ベースの推定値
と考えてください。
実際のベンチプレス重量には個人差があります
この計算機で算出される数値は、あくまで集団データを基準とした推定値です。
実際のベンチプレスとオーバーヘッドプレスの比率は、
- ベンチプレスの練習量
- オーバーヘッドプレスの練習量
- トレーニング歴
- 三頭筋や肩の強さ
- 胸筋の発達
- ベンチプレスのフォーム
- オーバーヘッドプレスのフォーム
- 体格
- 可動域
などによって変化します。
そのため、
OHP60kgだから必ずベンチ100kgが挙がる
という意味ではありません。
あくまで、
オーバーヘッドプレスの1RMから、ベンチプレス1RMのおおよその目安を推定する
ために使用してください。
また、主な直接研究はトレーニング経験のある男性を対象としているため、女性やトレーニング初心者では推定誤差が大きくなる可能性があります。[1]
参考文献
[1] Dorrell HF, Smith MF, Gee TI. Comparison of Velocity-Based and Traditional Percentage-Based Loading Methods on Maximal Strength and Power Adaptations. Journal of Strength and Conditioning Research. 2020;34(1):46-53. doi:10.1519/JSC.0000000000003089.
[2] García-Ramos A, et al. The load-velocity profiles of three upper-body pushing exercises in men and women. 2019. Horizontal bench press, incline bench press, and seated military press were assessed in 24 participants.
[3] Fahs CA, et al. Study examining relative strength using modified 1RM testing for the squat, bench press, deadlift, and overhead press in 51 participants. 2019. ※本計算機では公開情報からBP/OHPの直接換算値を抽出できなかったため、換算係数の算出には使用していません。
[4] Fahey TD. Sex-specific allometric modeling and regression-residual normalization for size-adjusted strength assessment. European Journal of Applied Physiology. 2026. doi:10.1007/s00421-026-06276-9.
