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全般

体重を1kg増やすとベンチプレスは何kg伸びる?106期間の「実データ」から分析

ベンチプレスを伸ばしたいなら、体重を増やした方がいい。

これは筋トレ界隈ではよく言われる話ですし、僕自身もベンチプレスを伸ばす過程で体重を増やしてきました。

実際、

  • ベンチ100kgを挙げたいなら、まず体重を増やした方がいい
  • 減量するとベンチが落ちる

といった話を聞いたことがある人も多いと思います。

では実際、

体重を1kg増やすと、ベンチプレスは何kg伸びるのでしょうか?

逆に、1kg減量するとベンチプレスはどのくらい落ちるのでしょうか?

これまで、ベンチプレスの階級別データなどから体重と記録の関係を考えたことはありました。

ただし、

「体重が重い人ほどベンチが強い」

という横断的な比較だけでは、

同じ人が実際に体重を増減させたとき、ベンチがどう変化するのか

までは分かりません。

そこで今回は、僕が実際にメニュー作成・トレーニング管理をしてきたデータを使い、

体重の増減とベンチプレス能力の変化

を分析しました。

分析対象は、308名のデータのうち、体重とベンチプレスの記録を継続的に取得できた9人です。

14日単位に区切ると、

合計106期間

のデータになりました。

単純に重い人と軽い人を比べるのではなく、

同じ人の中で、体重が増えた期間・維持した期間・減った期間にベンチプレスがどう変化したのか

を調べています。

先に結論から見ていきましょう。

今回紹介する研究データも含めて、、「ベンチプレス大全」ではベンチプレスに関する知識を体系的にまとめています。

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では、先に結果から見ていきましょう。

先に結論|体重1kg増でベンチは0.5〜1kg程度高い傾向

今回の結果を先にまとめると、

体重1kg増加に対して、ベンチプレス能力は0.5〜1kg程度高くなる方向の関連が見られた

というのが、実用上の結論です。

まずは分かりやすい結果から見てみます。

約1kg増量した期間ではベンチが平均+2.28kg

14日間ごとの体重変化を、

  • 減量
  • 体重維持
  • 増量

の3つに分け、その次のベンチプレスパフォーマンスがどのくらい変化したのかを比較しました。

結果はこちらです。

体重変化ケース数平均体重変化平均ベンチ変化
減量9−1.04kg−0.36kg
維持64+0.01kg+0.41kg
増量21+0.97kg+2.28kg

かなり分かりやすく、

減量 < 維持 < 増量

の順になりました。

約1kg体重が減った期間では、ベンチパフォーマンスは平均−0.36kg。

ほぼ体重が変わらなかった期間では、平均+0.41kg。

約1kg体重が増えた期間では、

平均+2.28kg

伸びています。

少なくとも今回の実データでは、

体重を増やしていた期間の方が、ベンチプレスも伸びていた

という傾向が見られました。

ただし、ここで注意が必要です。

「1kg増量=ベンチ+2.28kg」ではない

増量した期間のベンチが平均+2.28kgだったからといって、

2.28kgすべてが体重増加による効果

とは限りません。

例えば、

  • 体重75kg
  • ベンチ100kg

だった人が3か月後、

  • 体重78kg
  • ベンチ110kg

になったとします。

3kg体重が増えて、ベンチが10kg伸びています。

しかし、その10kgすべてが、

「3kg太ったから伸びた」

わけではありません。

その3か月間、普通にベンチプレスの練習もしています。

つまり、

  • ベンチプレスの練習
  • 技術の向上
  • 神経系の適応
  • プログラムによる成長
  • 筋量の変化
  • 疲労やコンディション

など、さまざまな要因が含まれます。

そこで今回の主解析では、

  • 同一人物内で比較する
  • トレーニング経過時間を考慮する
  • 14日間の練習回数を考慮する
  • ベンチパフォーマンスの測定方法をできるだけ統一する

といった調整を行いました。

その結果、

体重+1kg ↔ ベンチ+0.62kg

という推定値になりました。

つまり、

同じ人で比較すると、体重が1kg重い期間では、ベンチプレス能力も平均約0.6kg高い傾向

が見られたということです。

実用上は「1kg増で0.5〜1kg程度」が一つの目安

今回、一つの分析方法だけで結論を出しているわけではありません。

条件を変えながら複数の方法で分析しました。

分析方法体重1kg増加との関連
14日・主解析+0.62kg
28日解析+0.36kg
14日・e1RMのみ+0.64kg
14日・上位2記録平均+0.44kg
14日・体重変化量とベンチ変化量+1.10kg
28日・体重変化量とベンチ変化量+1.95kg

分析方法によって数字には幅があります。

ただし、

すべてプラス方向

でした。

一方で、+1.95kgのような大きな数字をそのまま、

「体重1kgにつきベンチが約2kg伸びる」

と採用するのは慎重になるべきです。

比較的保守的な解析では、

+0.36〜+0.64kg程度

に集まっています。

そのため今回のデータから実用的な数字を一つ出すなら、

体重1kg増加に対して、ベンチプレス能力+0.5〜1kg程度の向上と関連している可能性がある

くらいに考えるのが妥当でしょう。

もちろん、

全員が体重1kg増えるたびにベンチが0.5〜1kg伸びるという意味ではありません。

個人差もありますし、今回の分析は体重増加による因果関係を証明したものでもありません。

増量・維持・減量ではベンチの伸びはどれくらい違った?

ここからは、先ほどの3群をもう少し詳しく見ていきます。

増量した期間|平均+2.28kg

増量した期間では、

平均体重変化:+0.97kg

に対して、

平均ベンチ変化:+2.28kg

でした。

14日という比較的短い期間にもかかわらず、平均では2kg以上ベンチパフォーマンスが上がっています。

少なくとも今回のデータでは、

体重が増えている期間はベンチの記録も伸びやすかった

という結果です。

体重維持の期間|平均+0.41kg

体重維持期間では、

平均体重変化:+0.01kg

に対して、

平均ベンチ変化:+0.41kg

でした。

ここも重要です。

体重を増やしていなくても、ベンチそのものは平均では伸びています。

つまり、

ベンチを伸ばすために絶対に増量しなければならないわけではありません。

適切なトレーニングを継続していれば、体重を維持しながら記録が伸びるケースもあります。

減量した期間|平均−0.36kg

減量期間では、

平均体重変化:−1.04kg

に対して、

平均ベンチ変化:−0.36kg

でした。

約1kg体重が減っていますが、ベンチが1kg、2kgと大きく落ちたわけではありません。

平均では、

−0.36kg程度

です。

今回のデータでは、

短期的に1kg程度減量したからといって、ベンチプレス能力増量期ほど大きく落ちるわけではなかった

という結果になりました。

減量中でもベンチプレスは維持できる可能性がある

「減量するとベンチが落ちる」とよく言われます。

僕自身もそう体感します。

もちろん、体重や筋量が大きく減ったり、強いエネルギー不足が長期間続いたりすれば、ベンチプレスにも影響する可能性があります。

ただし、

減量=即座に筋力低下

と単純に考える必要もありません。

Murphyらのメタ分析では、エネルギー不足の状態でレジスタンストレーニングを行うと、除脂肪量の増加は抑えられる一方、筋力の伸びについてはエネルギー不足群と対照群の間で明確な差が確認されませんでした[1]。

Gartheらがアスリートを対象に行った研究でも、減量速度によって除脂肪量や筋力への影響が変わる可能性が示されています[2]。

緩やかに減量した群では、除脂肪量が増加し、1RM筋力も改善しました。

今回の実データでも、

約1kg減量した期間のベンチ変化は平均−0.36kg

にとどまっています。

したがって、

減量している時、ベンチは緩やかに減少する

と考えるとよいでしょう。

一方で、長期間・大幅なカロリー不足では筋量獲得が難しくなるため、長期的な筋力向上という意味では、減量期と増量期をまったく同じようには考えられません[1]。

ベンチを伸ばしたいなら体重を増やした方がいい?

今回の結果を見ると、

「じゃあベンチを伸ばしたい人は全員増量した方がいいの?」

と思うかもしれません。

ただし、

「全員増量するべき」

とは言えません。

例えば、すでに体脂肪率がかなり高い人が、ベンチのためだけにさらに体重を増やす必要があるとは限りません。

今回の分析でも、体重維持期でも緩やかにベンチの重量が伸びています。

しかし今回は14日〜28日の期間なので、さらに長期間になった場合は筋肉量の増加に伴って体重を緩やかに増加させた方が良いと思います。

増量 = 脂肪増

と考える人が多いですが

筋肉増 = 体重増

でもあります。

逆に体重が一切増えていないなら、筋肉量も増えていない可能性もあります。

ベンチプレスの重量を伸ばしたいのであれば、月200~500gの増量は検討すべきだと思います。

今回のデータを使って、減量/増量をした時の妥当な重量を計算できる計算機を作成しています。

こちらもご活用下さい。

ベンチプレス|減量妥当性計算機【減量でどれぐらい重量が落ちるのか?】
減量でベンチが落ちたのは普通?弱くなったのか、体重変化として妥当かを“GL対応”の体重補正で数値判定。過去の体重・MAXから同水準の「現在の妥当MAX」を即計算。筋トレの指標づくりに。

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ここから詳細分析|今回の数字はどこまで信用できる?【統計的分析】

ここまでで、実践上知っておきたい内容はほぼ終わりです。

簡単にまとめると、

  • 増量期間ではベンチが平均+2.28kg
  • 維持期間では+0.41kg
  • 減量期間では−0.36kg
  • 他の要因を考慮した主解析では体重1kgあたり+0.62kg
  • 実用的には「1kg増で0.5〜1kg程度と関連する可能性」が一つの目安
  • ただし因果関係を証明したわけではない

という結果です。

ここからは、

「+0.62kgという数字をどうやって出したのか」

「統計的にはどこまで確かなのか」

を詳しく見ていきます。

「体重1kg増=ベンチ2.28kg増」ではない理由

改めて整理します。

今回、約1kg増量した期間では、ベンチが平均、

+2.28kg

伸びていました。

しかし、

1kg増量 = 2.28kg筋力向上

ではありません。

例えば14日間で、

  • 体重:+1kg
  • ベンチ:+2.5kg

だった人がいたとします。

この2.5kgの変化には、

  • 練習による技術向上
  • 神経系の適応
  • プログラムによる成長
  • 疲労状態
  • 体重増加
  • 筋量変化
  • 測定日のコンディション

などが含まれています。

そのため、時間経過やトレーニング状況などを考慮した主解析では、

+2.28kg

ではなく、

+0.62kg/kg

という結果になりました。

つまり、

「増量していた人の方が伸びていた」

ことと、

「増量したことによって伸びた」

ことは別の話です。

今回のデータから直接言えるのは前者です。

統計的には「体重増加でベンチが伸びる」と確定できなかった

今回の主解析では、

体重1kg増加あたりのベンチプレスパフォーマンス変化は、

+0.62kg

でした。

一方、95%信頼区間は、

−0.06〜+1.31kg

です。

さらに、参加者数が9人と少ないことを考慮し、小標本向けのwild cluster bootstrapを使用すると、

p=0.173

でした。

一般的によく使われる、

p<0.05

という基準には達していません。

したがって、

体重増加とベンチ向上に統計学的に有意な関連が確認された

とは言えません。

より正確には、

ベンチが高くなる方向の関連は一貫して確認されたものの、今回の参加者数では統計学的に明確な関連とは判断できなかった

となります。

p=0.173なら今回の結果に意味はない?

そういうわけでもありません。

今回のデータには、

106個の14日間データ

があります。

一方で、独立した参加者は、

9人

です。

ここは非常に重要です。

同じ人から何十回測定しても、

9人が90人になるわけではありません。

今回の統計的な検出力を大きく制限しているのは、

測定回数よりも独立した参加者数

です。

そのため、

「p>0.05だから体重とベンチには何の関係もない」

とも言えません。

実際、

  • 14日解析
  • 28日解析
  • e1RMのみ
  • 上位2成績
  • Epley式
  • 体重変化量とベンチ変化量

と条件を変えて分析しても、

すべて体重増加とベンチ向上がプラス方向

でした。

これは興味深い結果です。

一方で、

統計的に確定した事実として扱うのも早い

ということです。

増量群と維持群の差は約2kgだった

体重変化を、

  • 増量
  • 維持
  • 減量

の3群に分けた分析でも確認しました。

トレーニング経過などを調整すると、

増量群は維持群より約1.96kg高いベンチ変化

を示しました。

補正前のp値は、

p=0.047

でした。

しかし、今回は3群を複数比較しているため、多重比較補正を行っています。

補正後は、

p=0.140

となりました。

したがって、

こちらも統計的に明確な差が確認されたとは言えません。

補正前の数字だけを見て、

「p=0.047だから有意差があった」

と結論づけるのは適切ではありません。

14日と28日で分析しても方向は同じだった

「14日という区切り方だから、この結果になったのでは?」

という可能性も考えられます。

そこで、28日単位でも同様の分析を行いました。

14日解析

+0.62kg/kg

28日解析

+0.36kg/kg

数字の大きさは変わりましたが、

どちらも、

体重が重い期間ほどベンチも高い方向

です。

一方、28日解析のp値は、

p=0.420

でした。

つまり、

期間を28日に変更しても方向は同じだったものの、関連の大きさについては不確実性が大きい

という結果です。

RM換算式を変えても結果はほとんど変わらなかった

今回、複数レップのセットからベンチ能力を推定する際には、以前4,438件のベンチプレスデータから算出した、

e1RM = 重量 ×(1 + 回数 ÷ 31)

を使用しました。

ただ、

「独自のRM換算式を使ったから、体重との関連が出たのでは?」

という疑問も考えられます。

そこで一般的なEpley式、

e1RM = 重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)

でも再計算しました。

結果は、

  • ÷31式:+0.62kg/kg
  • Epley式:+0.63kg/kg

でした。

ほぼ同じです。

つまり今回の結果は、

RM換算式を÷31にしたことによって生じたものではありません。

複数レップから1RMを推定する方法そのものについても、過去の研究でベンチプレスにおける予測精度が検討されています[6]。

なぜ普通のトップシングル重量を使わなかったのか?

今回のデータでは、トップシングルを毎回限界まで行っているわけではありません。

例えば、本当は100kgが余裕で挙がる日でも、疲労管理のために90kg程度で終了することがあります。

そのため、

トップシングル重量=その日のMAX

とは限りません。

RPEを使ったトレーニングでは、

  • RPE10:おおむね残り0回
  • RPE9:おおむね残り1回

といった形で負荷を評価できます[7]。

ベンチプレスでも、RIRを基準としたRPEと挙上速度には強い関係が報告されています[8]。

そこで今回の分析では、

RPE9.5〜10相当と判断できる成功トップシングル

を優先しました。

ただし、すべてのセッションに明確なRPE記録があるわけではありません。

そこで不足する期間については、

10回・8回・5回セットから算出したe1RM

を使用しています。

今回は9人・106期間のデータを分析

今回の主解析では、体重とベンチパフォーマンスを一定期間継続して取得できた、

9人

を対象としました。

14日単位に区切った有効データは、

106期間

です。

さらに、連続する14日間同士で体重とベンチの変化を比較できたものは、

94期間ペア

ありました。

ここで重要なのは、

106期間=106人ではない

ということです。

同じ9人を長期間追跡した、

縦断データ

です。

そのため統計分析でも、106個のデータを完全に独立した106人として扱っているわけではありません。

参加者ごとの違いを考慮しています。

体重は1日の数字ではなく14日平均を使用

体重は1日単位ではかなり変動します。

例えば、

  • 前日の塩分摂取量
  • 炭水化物摂取量
  • 水分量
  • 排便
  • 測定時間

などによって、

1kg程度変化することも珍しくありません。

そこで今回は、

14日間の平均体重

を使用しました。

例えば、

75.0kg → 75.8kg

と1日だけ変化したからといって、

「0.8kg増量した」

とは判定していません。

ある程度継続的に体重が変化した期間を比較しています。

ベンチパフォーマンスも期間最高値を使用

ベンチプレスも、毎回同じ強度で測定しているわけではありません。

そこで各14日間について、

期間内最高パフォーマンス

を算出しました。

優先順位は、

  1. RPE9.5〜10相当の成功トップシングル
  2. 10回・8回・5回セットから算出した最高e1RM

です。

ただし、

「練習回数が多い人ほど最高記録を出すチャンスが多い」

という問題があります。

そのため、期間内の練習回数も解析時に考慮しました。

さらに、期間最高値だけではなく、

上位2パフォーマンスの平均

でも分析しています。

その場合でも、

+0.44kg/kg

と、体重増加に対してプラス方向でした。

今後データが増えれば「体重1kg=ベンチ何kg」がさらに分かる

今回の分析で最も大きな制約になったのは、

セッション数ではなく参加者数

です。

14日データは106期間ありますが、独立した参加者は9人です。

統計的には、同じ9人から何百回記録を取ったとしても、

100人、200人を調査したのと同じにはなりません。

今後、

  • 20人
  • 30人
  • 50人

と参加者が増えても、

今回と同じように、

+0.5〜1kg/kg程度

の関係が再現するのか。

ここを確認できれば、かなり面白い結果になると思います。

最終的には、

  • 現在の体重
  • 現在のベンチMAX
  • 目標体重
  • 増量・減量速度

などから、

体重変化に伴うベンチMAX変化の参考レンジを算出するツール

にも発展させられるかもしれません。

まとめ|体重1kg増でベンチは0.5〜1kg程度高い傾向

今回は、実際のトレーニングデータを使って、

体重増減とベンチプレス能力の変化

を分析しました。

最も分かりやすい3群比較では、

状態平均体重変化平均ベンチ変化
増量+0.97kg+2.28kg
維持+0.01kg+0.41kg
減量−1.04kg−0.36kg

となりました。

ただし、増量期間の+2.28kgすべてを、

体重増加による効果

とは考えられません。

時間経過や個人差、トレーニング状況などを考慮した主解析では、

体重1kg増加 ↔ ベンチ+0.62kg

という関係が推定されました。

さらに分析方法を変更しても、すべて体重増加とベンチパフォーマンスの関係はプラス方向でした。

そのため今回のデータからは、

体重が増えていた期間ほど、ベンチプレス能力も高い方向だった

という傾向が見られています。

一方で、

  • 95%信頼区間:−0.06〜+1.31kg
  • 小標本補正後:p=0.173
  • 独立した参加者:9人

であり、

今回のデータだけで、体重増加によってベンチが伸びると統計学的に確定したわけではありません。

したがって現段階では、

体重1kg増加は、ベンチ能力0.5〜1kg程度の向上と関連している可能性がある

くらいを、一つの実用的な目安として考えるのがよいでしょう。

そして何より重要なのは、

「体重を1kg増やせばベンチが必ず○kg伸びる」

という話ではないことです。

体重を増やすか、維持するか、減量するか。

それぞれには目的があります。

ただ、

ベンチMAXを長期的に伸ばしたい時期に、体重とエネルギー摂取をどう扱うか

を考えるうえでは、今回の結果は一つの参考になると思います。

参考文献

[1] Murphy C, Koehler K. Energy deficiency impairs resistance training gains in lean mass but not strength: A meta-analysis and meta-regression. Scand J Med Sci Sports. 2022;32(1):125-137. doi:10.1111/sms.14075.

[2] Garthe I, Raastad T, Refsnes PE, Koivisto A, Sundgot-Borgen J. Effect of two different weight-loss rates on body composition and strength and power-related performance in elite athletes. Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2011;21(2):97-104. doi:10.1123/ijsnem.21.2.97.

[3] Mayhew JL, Piper FC, Ware JS. Relationships of structural dimensions to bench press strength in college males. J Sports Med Phys Fitness. 1991;31(2):135-141. PMID: 1753717.

[4] Slater GJ, Dieter BP, Marsh DJ, Helms ER, Shaw G, Iraki J. Is an Energy Surplus Required to Maximize Skeletal Muscle Hypertrophy Associated With Resistance Training. Front Nutr. 2019;6:131. doi:10.3389/fnut.2019.00131.

[5] Dooman CS, Vanderburgh PM. Allometric modeling of the bench press and squat: who is the strongest regardless of body mass? Related body-mass scaling literature. See also: Vanderburgh PM, Batterham AM. Validation of the Wilks powerlifting formula. Med Sci Sports Exerc. 1999;31(12):1869-1875. PMID: 10613442.

[6] Reynolds JM, Gordon TJ, Robergs RA. Prediction of one repetition maximum strength from multiple repetition maximum testing and anthropometry. J Strength Cond Res. 2006;20(3):584-592. doi:10.1519/R-15304.1.

[7] Zourdos MC, Klemp A, Dolan C, et al. Novel Resistance Training-Specific Rating of Perceived Exertion Scale Measuring Repetitions in Reserve. J Strength Cond Res. 2016;30(1):267-275. doi:10.1519/JSC.0000000000001049.

[8] Ormsbee MJ, Carzoli JP, Klemp A, et al. Efficacy of the Repetitions in Reserve-Based Rating of Perceived Exertion for the Bench Press in Experienced and Novice Benchers. J Strength Cond Res. 2019;33(2):337-345. doi:10.1519/JSC.0000000000001901.

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