
ベンチプレスを伸ばす上でセットの組み方重要な要素です。
なぜなら、人それぞれ、その時々で異なる課題があり、課題ごとに取り組むべきセットの組み方が違うからです。
セットを適切に組むことは重量アップに加え、フォーム最適化、ケガ防止にも繋がります。
実際に10/8/5プログラムは今回ご紹介するセットの組み方をフェーズに合わせて5種類組み合わせて設計しており、500名以上の方にMAX重量を更新して頂いています。
一方で、ベンチプレスを頑張っているけど
・今の自分はどのようなセットの組み方をしたら良いか分からない
・自分がやっていることが正しいのか不安
・とにかく毎回追い込んでいる
・Youtubeで紹介されているセットの組み方をしているけど、実は良く分かっていない
というケースも多いです。
目的に応じたセットの組み方ができていないと、疲労が蓄積したり、フォームが崩れてケガをしたり、十分に出力がでなかったりします。
Youtube上には様々なセットの組み方が紹介されていますが、曜日ごとに何キロ何レップということが紹介されるだけで、その目的まで解説している動画はほとんどないので仕方がないと思います。
そこでこの動画ではベンチプレスの基本的なセットの組み方を
- 重量パターン
- 強度・回数パターン
- 休息・密度パターン
- テンポ・レンジ操作
- ピリオダイゼーション
の5つの観点で体系化し、目的、具体例、長所、短所、対象レベルに分けて解説します。
また、これらの組み合わせ方も解説して行きます。
この記事で説明する内容を組み合わせるだけでも、ざっくり300通りぐらいの組み方ができます。
最終的には必要なセットの組み方を数パターンに絞った方が良いです。
300通りと言いましたが、この動画でおすすめのセットの組み合わせ方をいくつかご紹介しますので、上位5%の方以外は紹介するセットの組み方で問題ありません。
さらに、今回は解説の対象外ですが、足上げ、ケツ上げ、ナロー、ワイドなどのフォームのバリエーションを加えることで、さらに幅広い組み方が可能となります。
出回っているほとんどのプログラムは今回お話しするセットの組み方の組み合わせなので、既存のプログラムのコンセプト理解にも役立てて頂ければと思います。
うつベンチLine公式アカウントでは無料でベンチプレスのメニュー作成、フォームチェック、お悩み相談を行っています。
メニュー作成を3ヶ月以上続けて頂いた方のMAX更新率は90%以上となっています。

それでは本題に入りましょう。
セットを組む上で最も大事なこと
まずはセットを組む上で最も大切なことをお話しします。
ここを外すと、どのようなセットの組み方をしても効果は低いです。
セットを組む上で最も大事なことは3つです。
- 目的、コンセプトを理解する(頭と体で)
- 漸進的に負荷を増やす(漸進性過負荷)
- セットの組み方のルールを決める
- ルール通りに行う
この4つです。
まず、セットの組み方の目的、コンセプトが分かっていないと、漠然と練習を行うだけになります。
何が変化したら成功で、どうなったら失敗なのかも分からなければ、MAX重量の伸び以外で成長を判断することができません。
こうなってしまうと、特に停滞期にはモチベーションが下がってしまい続けることが難しくなってきます。
また、再現性も低いので経験が積み上がりません。
理論を読んだだけで理解しているつもりになりがちですが、実際にやってみないと本質は分かりません。
結果が出るまで最低でも3ヶ月はやると決めたセットの組み方を続けましょう。
1ヶ月では成果は出ませんし、見えません。
ある程度の期間行う中で、少しずつ負荷を増やしていきましょう。
後ほど詳しくお話ししますが、特定重量レップのセットをクリアしたら、次回の練習では重量を+2.5kg上げる、レップ数を増やす、セット数を1セット増やすなどの対応が必要です。
トレーニング効果のほとんどは負荷を上げていくことで得られます。
同じ重量、回数、セット数で行っていても疲れはしますが成長はしません。
漸進的に負荷を高ましょう。
漸進性過負荷の原則については超重要なので、別途解説記事を投稿しています。
こちらもご参照下さい。
ベンチプレスの重量が伸びない理由は「漸進性過負荷」をしていないから
ルールというのは、1日の練習で何レップ何セット行うか決め、休憩時間(決めないというルールもあり)、失敗した時の対処、進捗の確認方法などをあらかじめ決めておくということです。
そしてその通りに実行するというのが非常に大事です。
例えば
セットで失敗したから、悔しくて本来は予定にないけど再チャレンジして潰れてしまった。
フォームを崩さないで行うセットで攻めすぎて潰れてしまった。
3ヶ月はやるつもりだったが、飽きたので止めてしまった。
新しいセットの組み方を試したくなってしまったので、コロコロメニューを変える。
こういった思いつきの変更はベンチプレスで重量が伸びない方の特徴です。
ギッチギチにルールで縛り上げる必要はありませんが、セットの組み方のコアの部分は外さないようにしましょう。
この前提が崩れている方が結構いるように見受けられます。
セットの組み方を考える前に今一度考えてみて下さい。
セットの組み方に含まれる要素
冒頭でお話しした通り、今回はセットの組み方を以下の5つの観点で分類してお話しします。
- 重量パターン(6種)
- 強度・回数管理(3種)
- インターバル管理(4種)
- テンポ・レンジ操作(3種)
- ピリオダイゼーション(3種)
まず最初に決めるのは、1回のトレーニング内で重量をどう並べるか、つまり重量パターンです。
これはその日のトレーニングの骨格であり、「どこで高重量を置くか」「強度とボリュームの配分をどうするか」を決めます。
逆に言えば、ここが曖昧だと他の要素を足しても狙いがボケます。
まず重量パターンで「セットの型」を一つに決めるのが出発点です。
セットの組み方の主軸である「重量パターン」を決めたら、次に「強度・回数管理」「インターバル管理」「テンポ・レンジ操作」「ピリオダイゼーション(期分け)」を決め、目的に対して最適化していきます。
重量パターン(5種)
では具体的な重量パターンの種類からお話ししていきます。
重量パターンとは
「1回の練習内で各セットの重量をどう並べるかの設計」です。
同じ重さで行くのか、徐々に重くするのか、波を作るのか、といった「重さの並べ方」そのものを指します。
一般的にセットの組み方と聞くと、重量パターンを思い浮かべることが多いと思います。
これで刺激の質(高重量×低回数、中重量×中回数、低重量×高回数)とボリューム(重量×回数)、疲労の出方、所要時間が変わります。
重量を一定にしたり、強弱をつける狙いは大きく3つあります。
(1)その日の「山場」をどこに置くか(序盤・中盤・終盤)。集中力の問題なども関係する。
(2)強度とフォーム精度のバランスをどう取るか。
(3)安全を担保しながらトータルボリューム(重量×回数)をどう最大化するか。
この3つですね。
ここでご紹介する6つの重量パターンは「山場」「強度/フォームバランス」「ボリューム確保」の割り振りが異なっていて、そこにそれぞれの目的があります。
6つの方法の目的は次の通りです。
まずはざっくり全体像を、後ほど詳しく説明します。
ストレートセット:
重量・レップ数は一定。累積疲労を利用して後半に山場。強度は徐々に上昇。前半でフォーム精度を担保、後半で強度を確保。ボリュームも確保しやすい。
アセンディングセット:
少しずつ重量を上げていくので終盤や山場。段階的に神経を呼び起こし、トップセットの質を高める。全体的にフォーム精度を重視する。
ピラミッドセット:
低重量高レップから高重量低レップに移行し、その後再び低重量高レップ。広いレップ帯を1回で網羅。山の頂点(中盤)で強度を確保、下りでボリュームを回収。序盤は頂点に向けてフォーム精度を確保。
トップ+バックオフセット:
初めのセット(序盤)で強度を確保。バックオフでボリューム回収とフォーム精度を担保する。
ディセンディングセット:
セットを追うごとに重量を下げ、レップ数は同程度か微増。序盤に強度を持ってきて徐々に下がっていくのが一般的。フォーム精度の担保は後半に向けて大きくなっていく。ボリュームは確保しやすい。ドロップセットとは異なる点に注意。
ウェーブローディング:
高強度の小波を複数回行う。神経活性の“上振れ”を狙う上級者向けの組み方。中盤と終盤に高強度。常にフォーム精度の担保が必要。ハイレップで行うと目的が薄まりやすいので低レップ高強度を推奨。
それぞれに特徴や導入のメリット・デメリット、対象者が分かれるので、ここからは各重量パターンの詳細についてお話ししていきます。
ストレートセット
ストレートセットは「同じ重量 × 同じレップ数」を複数セット繰り返す最も基本的なセットの組み方です。
刺激条件を一定に保つことで、重量とレップ数が同じなのでフォームやリズム、呼吸を揃えやすく再現性が高いセットを重ねることができます。
また、記録の比較がしやすくなります。
ポイントは「累積疲労」です。
同じ重量でもセットを重ねるほど疲労が蓄積し、後半で十分な刺激を得られるのがストレートセットの狙いです。
ベンチプレスのように技術の比重が大きい種目では、同条件の反復練習がフォームの上達に直結します。
セットの組み方(具体例)
- 強度重視:筋力強化:80%×5回×5セット(インターバル3〜5分)
- ボリューム重視:筋肥大:70〜75%×10回×5セット(インターバル3〜5分)
- フォーム練習:技術:60〜65%×5回×5セット(インターバル1〜2分)
人によってレップ帯の強さが違うので、1RM%は各自で調整。
特徴・メリット
- 再現性が高い
- 学習効果が高い
- 設計と評価が容易
- 累積疲労を安全に利用
- 意思決定の省力化
意思決定の省力化はセットを組む上で結構大事です。
セットの組み方に脳みそを使うよりは、セットはあらかじめ決めておいて、フォームに脳みそを使った方が良いケースが多いです。
デメリット/注意点
- 単調による停滞
- 強度や量の偏り
- 心理的マンネリ
おすすめレベル
すべてのレベルにおすすめ。
特に初中級には第一選択。
ストレートセットで事足りることがほとんどです。
上級者でも、ピーク前の“質を崩さない反復”や、技術練習のフェーズで有効。
大会志向の選手は、後述するブロックピリオダイゼーションとの組み合わせやベースの練習に採用可能。
この「土台づくり」がすべての応用(アセンディング、トップ+バックオフ、ウェーブ)の基礎になります。
まずはストレートセットで「同じ良い動作を、同じ条件で積む」ことを徹底しましょう。
ストレートセットの詳細記事
ストレートセットとは?効果・やり方・メリットを徹底解説【ベンチプレス】
ストレートセットを導入しているベンチプレスプログラム
【ベンチプレス 10/8/5プログラム】9割がMAX更新したセットの組み方
アセンディングセット
アセンディングセットは、1回のトレーニングでセットを追うごとに重量をジョジョに上げていく組み方です。
目的は、軽〜中重量でフォームと神経を整えながら、その日のトップで一番良い状態のセットを行うこと。
ベンチのように技術再現性が重要な種目では、急に重くしないことでボトム位置の安定・フォームの維持・バーの軌道などの重要な項目を乱さずに、トップセットの成功率を上げられます。
ストレートセットでは累積疲労で強度を上げていったのに対して、アセンディングセットでは重量を上げていくことで強度を上げる方法を取ります。
セットの組み方(具体例)
※%は目安。
中重量レンジ、同一レップのアセンディング
・1セット目:75%×5
・2セット目:77.5%×5
・3セット目:80%×5
・4セット目:82.5%×5
・5セット目:85%×5
同じレップなので、タイミングや呼吸も同一で進めることができ、1セット目から5セット目まで同じ感覚でセットをクリアできることを目標にすると良いです。
5セット目で「フォームが崩れずに」少し粘って上がるぐらいが強度の目安です。
5セット目から逆算するので、強度設定が少し難しいです。
ラストトップシングル
通常はアップ→トップシングル→セットの順番が一般的ですが、ラストトップではアップ→セット→トップシングルの順で行う。
例)通常の組み方
アップ:20kg×10, 40kg×5, 60kg×3, 80, 90, 95kg×1
トップシングル:100kg×1
セット:70kg×10レップ×10セット
例)ラストトップの場合
アップ:20kg×10, 40kg×5, 60kg×3
セット:70kg×10レップ×5セット
(80, 90, 95kg×1)
トップ:100kg×1
アップの削減で10分程度の時間短縮、トップを未実施なら+10分短縮可能。
アセンディングセットの特徴・メリット
- 神経の段階的動員:いきなり重くしないため、トップでの出力・安定・恐怖心のコントロールが良い。
- 目的に合わせて拡縮しやすい:技術強化、筋肥大期は中重量の同一レップアセンディング、ピーク前はレップ数減少のシングル着地など、汎用性が高い。
- ある程度の疲労を与えた後の擬似MAXを軽くしていくことで、MAX重量を伸ばしていく。地力を安定させる組み方。
- 前半セットはアップを兼ねることができるので、比較的時短で可能。
アセンディングセットのデメリット/注意点
- 高重量の実施不足:事前疲労させてからのトップシングルなので、重量は95%1RM以下になる。
- 高重量低レップに偏りやすく、ボリューム不足になりやすい。
アセンディングセットのおすすめレベル
- 中上級者:基本的に神経の段階的な立ち上げ及び神経系強化が目的になることが多いので、初心者(100kg未満)には原則不要。
- ストレートセットと比べてボリューム不足になりがちで、筋肥大にも不利になることが多い。
- 初心者が取り入れるなら、ラストトップがオススメ。または5 to 8。
- 体の立ち上がりがゆっくりなスロースターター。少数だが5%ぐらいの割合でアセンディングの方が重量が挙がる人がいる。その人達はストレートセットで組むとアップに膨大な時間がかかるのでアセンディングがオススメ。
- 飽きっぽい人。
アセンディングセットの詳細記事
【ベンチプレス】アセンディングセットとは?メリット・デメリットと効果的な組み方を徹底解説
アセンディングセットを導入しているベンチプレスプログラム
【ベンチプレス】停滞突破!アセンディングトッププログラム解説&計算機ツール
ベンチプレス100kgまでに一番伸びたセットの組み方!【5 to 8プログラム】
トップセット+バックオフセット
ここでいうトップセットとはトップシングルとは異なり、1発セットのことではなく「一番負荷の高いのセット」という意味です。
例えば、重量ベースでトップバックオフを組む場合は
- 1セット目:90kg×10×1
- 2~5セット目:85kg×10×4
のような形になります。
レップ数ベースの場合は
- 1セット目:90kg×10×1
- 2~5セット目:90kg×8×4
のように1セット目で自分にとって厳しい重量×レップ数のセットを組み、その後、5~10%重量を落とす、またはレップ数を落として残りのセットを行います。
一般的にはレップ数の減少はバックオフとは言いませんが、ここでは同一重量でレップ数の減少もバックオフとします。
トップセット+バックオフは、その日の練習の“山場”として高重量のトップセットを1セット目に行い、その後にやや軽い重量やレップ数を減らして複数セット行って反復とボリュームを確保する設計です。
トップセットはトップシングルではない、と言いましたが、シングルセットになる事もあります。
トップでは「重さへの神経適応・恐怖心のコントロール、ギリギリでのフォーム安定化」を行い、バックオフでは「フォームの整え・トータルボリュームの確保」を行います。
バックオフセットの組み方(具体例)
一般的な組み方としてMAXが100kgと仮定すると
- トップセット : 80kg(80%1RM)×10レップ×1セット
- バックオフ : 70kg(70%1RM)×10レップ×4セット
のように組みます。
このセットがクリアできたら次回の練習で重量を+2.5kgします。
トップセットで限界近いセットを行い、10%ほど重量を落として残りのセットを行うことで、強度を確保しつつトータルボリュームの回収、フォーム修正を行うことができます。
トップセットでかなり攻めた場合は、バックオフを-20%などにして、後述のテンポ・ポーズで行うのも非常に良い選択となります。
特徴・メリット
- 強度×ボリューム×反復の確保:
強度の確保による神経系強化、筋肥大に必要なボリューム、フォーム修正に必要な反復練習が確保できます。 - 心理的効果:
最初にキツイセットを終わらせるため、その後のセットが楽に感じる。
ストレートセットとは逆の心理的効果が働く。
デメリット/注意点
- エゴリフトのリスク:
トップセットが意外と上がったので、バックオフもトップセットと同じ重量で行いがち。
エゴリフトを繰り返し計画が破綻、再現性の欠如、疲労・ケガによる停滞が発生する。
計画通りに行うことが重要。
ルールの厳守。 - 疲労の重畳:
トップで神経的に疲れている状態で量を積むため、フォーム崩れが出やすい。
バックオフはフォームを整える意識で実施。
おすすめレベル
全レベルにおすすめ。
なので10/8/5プログラムで採用。
上級者は個別性がかなり高いのでトップとバックオフの重量の精度調整がやや難しい。
トップ・バックオフセットは、「強度」と「ボリューム」フォーム修正を同日に両立するため合理的だと考えています。
ストレートセットの次に全レベルのトレーニーにおすすめの組み方です。
トップ+バックオフセットの詳細記事
バックオフセットとは?|効果・重量設定・10/8/5プログラムへの活用を徹底解説
トップ+バックセットを導入しているベンチプレスプログラム
【ベンチプレス 10/8/5プログラム】9割がMAX更新したセットの組み方
ディセンディングセット
ディセンディングセットは、最重セットから始めて、セットを追うごとに重量をジョジョに下げる方法です(レップ数は同じか、やや増やす程度)。
初めの重いセットで神経を“点火”し、その後はフォームを崩さず質を保った反復を積む狙い。
※混同注意:
- バックオフセット:
バックオフのセットは重量回数を固定。
バックオフだけ見るとストレートセットで累積疲労を利用。 - ドロップセット:
休息ほぼゼロで同一セット内に重量を連続で落とす拡張法。
どちらかというと休憩の取り方がメイン。
ディセンディングは「セット間休息を取りながら、段階的に重量を下げる」点が異なります。
セットの組み方(具体例)
- レップ数固定型:
92.5%×3 → 90%×3 → 87.5%×3(休息3〜5分)
目的:トップ域に触れつつ、以降は同レップで品質維持(同RPE推移)。 - レップ微増型(回収重視):
90%×3 → 85%×5 → 80%×8(休息3〜5分)
目的:後半で技術反復+ボリューム回収。
後述する休憩の取り方も考慮し、インターバルを減らしながら行うのも有効。
特徴・メリット
- 神経の適応→高品質反復:
最初に重さへ適応させ、その勢いでフォームを崩さず反復できる。(目的はバックセットと同じ) - 時間効率:
重いセットを先に消化するため、後半は軽め・短め休息でペース良く進む。(漸減インターバル) - 心理的メリハリ:
山場を冒頭に置くため、以後の集中が保ちやすい。 - 技術の安定:
重量を落としながら同じ課題を維持する練習に向く。 - 停滞対策:
ストレートで伸び悩む人に、強度の波を入れて刺激を変えられる。
デメリット/注意点
- ボリューム不足:
同レップ固定で段数が少ないと総量が足りない場合あり。
必要ならレップ微増で回収。 - 設計が難しい:
バックオフやドロップセットと混同しやすく、重量を徐々に下げている割合の設計が難しい。
重量の落とし具合やレップ数の調整に意味を持たせることができないと、目的的でなくなり評価が難しくなる。
おすすめレベル
- 中級以上に最適:
重さに慣れており、RPEやバーベル速度で自己調整できる人。
ピーク手前の重量慣れ+反復に好相性。
ただしバックオフで事足りることもあり。 - 飽きっぽい人
バックオフ=「トップで基準を作り、その“基準から一定条件で落として”同条件の反復を積む設計」。
ディセンディング=「最重→小刻みに段階降下しながら“毎セット”条件が変わる設計」。
というところに注意して取り入れることが有効です。
ディセンディングセットの詳細記事
ディセンディングセットとは?正しいやり方・効果・バックオフとの違いを徹底解説
ピラミッドセット
ピラミッドセットは、登りはアセンディングで行い、トップからはディセンディングまたはバックオフセットを取り入れることで、1日の練習内に「ピラミッド」をつくるセットの組み方です。
広いレップ帯を一度にカバーできるため、神経系強化と筋肥大、ボリューム(反復回数)を両立させやすいのが特徴です。
重量設定さえ間違えなければ、バランスの取れたセットの組み方です。
セットの組み方(具体例)
%は想定MAX重量(今現在持てるMAX重量)
筋肥大寄り
- 1セット目:70%×10
- 2セット目:80%×8
- 3セット目:85%×5(トップ)
- 4セット目:65~70%×10(以下バックオフ)
- 5セット目:65~70%×10
バランス型
- 1セット目:80%×8
- 2セット目:85%×5
- 3セット目:90%×3(トップ)
- 4セット目:70~75%×8(以下バックオフ)
- 5セット目:70~75%×8
筋力寄り
- 1セット目:85%×5
- 5セット目:90%×3
- 7セット目:95%×1(トップ)
- 9セット目:85~90%×3(以下バックオフ)
- 10セット目:85~90%×3
こういったピラミッドセット型の組み方は5/3/1プログラムなどのプログラムにも採用されており、中上級者以上であれば利用しても問題ないと思います。
もちろんプログラムごとに、筋肥大寄り、筋力寄りと特徴はあります。
特徴・メリット
- 様々な刺激を1日に集約:
登りで神経、筋力強化、下りで反復とボリュームを回収。 - 技術の安定化:
日々同じ重量をこなすことで、特定重量での上げ方が上達。 - 心理的メリハリ:
明確な山場があり、達成感と集中が持続しやすい。 - 適応の停滞回避:
一定のレップ帯だけに偏らず、筋力/筋肥大の両面にアプローチできる。
デメリット/注意点
- 狙いが曖昧になりがち:
筋力かボリュームか優先を決める。
ブロックピリオダイゼーションを採用する(5/3/1プログラム)。
おすすめレベル
- 初中級:
“軽め頂点”+バックオフセットが扱いやすい。
例で挙げた筋肥大よりメニューがおすすめです。
フォームが崩れない重量帯で反復を確保。 - 中上級:
ピーク前はトップ重視+軽めの下り、一般期は下り重視で横断的刺激。
ピラミッドは「その日ひとつで幅広く刺激したい」日に最適。
目的を明確にし、トップの位置づけ(擬似MAX(%)・筋肥大寄り)とバックオフで目的に対して適切なアプローチができます。
ピラミッドセットの詳細記事
ピラミッドセットとは?ベンチプレスが伸びる理由と効果的な組み方を徹底解説
セットの強度・回数管理(RPE /VBT/AMRAP)
セットの組み方の主軸である「重量パターン」を決めたら、次に「強度・回数管理」を決めていきます。
強度・回数管理には
・RPE(自覚的運動強度)
・VBT(バーベル速度 / ROE:客観的運動強度)
・AMRAP(As Many Raps As Posible:できるだけ多くのレップ)
などの種類があります。
強度・回数管理はセットをどれだけキツくするか・どこで止めるかを決めます。
強度やボリュームのブレーキとアクセルのような感じですね。
RPE(自覚的運動強度)
まずはRPEですね。
RPEは自覚的運動強度という指標で、ざっくり後1レップいければRPE9、あと2レップいければRPE8です。
RPE8で止める、RPE9で止めるなどのブレーキをかける役割があります。
例えば、ストレートセットで組んでいるとして
80kg×10×5セット
を行うとします。
1~2セット目は10レップ行ってRPE7。
3~4セット目は10レップ行ってRPE8。
5セット目はRPE10以上になることが予想されます。
この場合、あらかじめRPE9以上は実施しないことを決めておくことで、無理に10レップまでやらずに8レップで止めるという判断ができます。
RPEストップとかRPEキャップという方法で、一定のRPEを超えたらセットを終了します。
RPEでストップすることで、目的に合わない無理なレップを行うことを避け、フォームを崩したり、その結果ケガをするということを避けることができます。
RPEの注意点としては自覚的な運動強度なのでバラつきが出やすいということがあります。
例えば、トレーニング初心者の方と超上級者が感じる「自覚的」運動強度は恐らく異なります。
なので、超上級者の方がRPE9に設定しているプログラムを初心者の方が行っていても想定する強度は同じRPE9でも異なっていることが多いです。
初心者が感じるRPE9は上級者にとってはRPE7ぐらいだったりすることは普通にあり得ます。
次に紹介する客観的運動強度のバーベル速度で見ることが必要になってくる場合も多いので注意しましょう。
プログラムの中にはあらかじめ重量を決めずにレップ数を決め、その日の調子によってRPEベースで重量を決めていくという方法がありますが、僕が見てきた限り上手く調整できないので、上級者意外の方にはおすすめしません。
ROE(客観的運動強度)/VBT
客観的運動強度ベースのVBT(バーベル速度)です。
バーベル速度は難しい器具などを使わない場合は
・粘らず上がった(3)
・詰まった、粘って上がった(4)
・フォームが崩れた、潰れた(5)
といった簡単な指標で評価すれば良いです。
これもRPEと基本的には同じですが
・詰まった、粘った次のレップは行かない
・フォームが崩れた、潰れた場合は次回の練習で重量を増やさない
といった対策を取ることができます。
RPEにせよバーベル速度にせよ、常に余裕を持って終わる、例えばRPE8とかで終わることが大事という方もいらっしゃるんですが、そうではなくて、RPE10とか限界まで行うセットというのも必要になります。
なぜならほんの少しでも自分の限界を超えないと漸進的な負荷の増加にはならないからです。
そういった意味で次のAMRAPなどを取り入れる必要が出てきます。
AMRAP(As Many Raps As Posible : 限界まで)
AMRAP(As Many Raps As Posible:限界まで)は文字通り限界レップまで行うという意味です。
5 to 8プログラムでご説明した通り、8レップを狙ってできるだけ多くのレップ数を実施する場合や、5/3/1プログラムの3セット目5セット目のように特定のレップ数を決めずにできる限りのレップ数を行う場合もあります。
10/8/5プログラムでもレップ帯の終盤の1セット目ではAMRAPになることも多いです。
・例えば、97.5kg×5×5をクリアしたけど割とギリギリだった。
・100kg×5×5に挑戦するけど、100kg5レップは厳しそうなので、1セット目だけAMRAPにして、残りはバックオフで100kg×3×5で行う。
などのケースです。
こうすることで、レップMAXに最大限挑戦しつつも、後半でフォームを整えることができます。
AMRAPは非常に負荷が高くフォームも崩れやすいので頻繁に取り入れることはおすすめしませんが、全く取り入れないのも自分の限界を超えるチャンスを逃すことになります。
目安としては
RPE/VBTストップ : AMRAP = 8以上 : 2未満
と考えて下さい。
10/8/5プログラムでは自然にRPE/ VBTストップ:AMRAPが8以上:2未満になるように設計しています。
AMRAPは2未満に抑えることでフォームが崩れてもRPE/VBTストップで整えることができ、0にしないことで自分の限界を超えるチャンスを作っています。
休息方法(インターバル)
セットの組み方においてインターバルの取り方も大きな要素の一つです。
インターバルは短くすれば筋持久力の向上、疲労耐性、時短でボリューム確保といったメリットがあります。
またインターバルを長く取ることで、1セット1セットで扱える重量が増え、筋力、筋肥大に良い影響を与えたり、より多くのセット数を行うことでトータルボリュームを増やすこともできます。
ここではセット間の時間配分と、一定時間あたりの仕事量(密度)を調整する決め方について説明します。
休息を固定/短縮/延長したり、EMOMのように練習時間そのものを固定することで、質と時短、持久のトレードオフを最適化して行きます。
1. 休憩時間固定
- 意味:
全てのセット間の休憩時間を一定に保つ方法。
最も一般的な方法です。 - 特徴:
トレーニングの密度と強度を安定させやすい。
同条件でセットを比較することができるので疲労度やフォームの変化を比較しやすい。
後半になるにつれて疲労の蓄積は大きくなる。 - メリット:
記録や比較が容易になり、再現性の高い練習ができる。 - デメリット:
高重量や高疲労時には回復不足になることがある。 - 例:
全セット間を常に180~300秒休む。
2. 漸減休息
- 意味:
セットが進むごとに休息時間を少しずつ短くする方法。 - 特徴:
時間経過とともに疲労耐性を高め、心肺機能や筋持久力の向上を狙う。 - メリット:
トレーニング密度が上がり、短時間で高負荷な刺激を与えられる。 - デメリット:
後半は疲労が重なりフォームが崩れやすくなるため、意識的なフォーム管理が必要。 - 例:
1セット目休憩90秒 → 2セット目80秒 → 3セット目70秒 → …と10秒ずつ短縮。
相性の良いセットの組み方はディセンディングセット。
重量設定に寄っては漸減休息とディセンディングを組み合わせることによって、ドロップセットのような運用になります。
3. 漸増休息
- 意味:
セットが進むごとに休息時間を少しずつ長くする方法。 - 特徴:
高重量セットやストレートセットやアセンディングセットのような後半で山場を迎えるセットの組み方で、後半の出力を維持するために用いる。 - メリット:
後半のセットでも高いパフォーマンスを維持でき、最大出力を引き出しやすい。 - デメリット:
全体の練習時間が長くなりやすい。
タイパが悪い。 - 10/8/5プログラムではインターバルは「次のセットが良い状態で行えるようになるまで何分休んでも良い」としていて、基本的には後半にいくに従って増えていくので漸増休息を採用している。
4. EMOM / E3MOM
- 意味:
EMOMは “Every Minute On the Minute” の略で、1分ごとにセットを開始する方法。E2MOMは3分ごとに開始します。 - 特徴:
練習時間を固定し、その中でセットを行うため、時間管理がしやすく、持久力や集中力の向上に役立ちます。
ラックの使用制限が30分しかない場合に使うと決められたセット数を確実に実施することができます。 - メリット:
時間効率が良く、練習密度を一定に保てる。 - デメリット:
疲労回復の時間が限られているので、扱える重量が低くなる傾向にある。 - 例:
E5MOMなら、5分ごとにセットを開始し、残り時間は休憩に充てる。
フォーム組みもセット時間に含める。
タイパという意味では第一選択となりうるセットの組み方ではありますが、ベンチプレスの1RMを向上させるという意味では効果は限定的です。
特に筋力強化期はインターバルをしっかり取って、1セット1セットで扱える重量を最大化する必要があります。
EMOMは時間がない方、ラックの使用制限がある方の二番目の選択肢として考えるのが良いと思います。
インターバルの詳細記事
ベンチプレスのインターバル完全攻略|休息時間の最適解とおすすめ4方式を徹底解説
テンポ・レンジ操作
動作の速さや可動域を意図的に変えて、TUT(緊張下時間)をコントロールしたり、技術学習を行います。
80kg10レップ5セットができる人でも、70kg10レップ5セットをゆっくり下ろして、ボトムで止めて、ゆっくり上げるとキツくなる、といったことが該当します。
弱点強化やフォーム精度の改善に有効です。
テンポレップ(Tempo Reps)
- 定義:
動作速度を「下ろし-ボトム停止-上げ-トップ停止」の4桁で管理(例:3-1-2-1)。 - 狙い:
TUT増大、バー軌道の安定、固有感覚(肩甲骨を動かしている意識、感覚等)の向上。
バウンドで挙上するクセを修正したり、弱点となっている動作を考えながら修正することを狙いとしています。 - 使い方(ベンチプレス例):
3-1-2-1=3秒で下ろす→胸で1秒止め→2秒で押す→トップ1秒。 - 負荷目安:
通常より5〜10%軽い重量で。 - 10/8/5ではプログラムのスタート時の10レップ序盤、8レップから5レップの切り替わりなど、重量がレップMAXの-5~10%の時に導入。
1セットの中で1レップ目と最終レップのみテンポにするなどして負荷を調整することも可能。
ポーズレップ(Paused Reps)
- 定義:
特定位置で1–3秒静止してから挙上。
通常は胸で止まることを指すことが多い。
胸上数cmの浮かせ停止(Spoto系)、スティッキング付近停止など。 - 狙い:
バウンドを防止してし純粋なボトムの筋力を養う。
ボトム位置の確認・力の入る肩甲骨の位置・前腕垂直の確認などに有効。 - 使い方(例):
- 競技ポーズ:胸で1–2秒停止→挙上。
- Spoto:胸の1–3cm上で1秒停止→挙上(胸を潰しにくく軌道学習に◎)。空間把握能力の向上。ボトムまでの距離を体の感覚で覚える。
- 中間停止:胸から5–8cm付近で1–2秒静止(スティッキングポイント)。
- 負荷目安:
通常より5〜12.5%軽い重量で。10/8/5では8・5レップ期にメインへ、トップシングル前の最終アップを“1秒競技ポーズ”にするのも効果的。
10/8/5ではプログラムのスタート時の10レップ序盤、8レップから5レップの切り替わりなど、重量がレップMAXの-5~10%の時に導入。
1セットの中で1レップ目と最終レップのみポーズにするなどして負荷を調整することも可能。
パーシャルレップ(Partial Range of Motion)
- 定義:
可動域を意図的に短縮。
トップサイドやボトムパーシャル。
セーフティ、スリングショットを活用。 - 狙い:
局所的過負荷と神経適応(特にトップサイド)、ボトムの集中強化とボトム位置を体に覚え込ませる効果。 - 使い方(例):
- トップ寄り(ボード/ピン高め):可動域2/3〜1/2で押す。
三頭主導・ロックアウト強化。通常のフルレンジ1RMの100~115%程度までを目安に実施。 - フルレンジの100~115%で実施。
- トップ寄り(ボード/ピン高め):可動域2/3〜1/2で押す。
- 組み込み:
フルレンジのメイン後の補助として実施。
例えばパーシャルレップなら8レップセット終了後に同重量で10レップのパーシャルレップを導入する。
トップサイドならセット終了後に重量を足して実施。 - 注意:
エゴリフト厳禁。
フルレンジを犠牲にしない。
あくまで補助種目の立ち位置(同日にフルレンジを必ず実施。
10/8/5への実装ガイド
- 10レップ期:スタート時点で重量が軽いので3-1-2-1のテンポでフォーム固め(全セット or 最後の2セット)。
- 8レップ期:基本的にほとんど余裕がないので、通常テンポ。
- 5レップ期:5レップ移行段階で重量が軽くなるのでテンポで実施。終了後に同重量でパーシャル10レップ等。
- 原則:一度に変える変数は1つまで(テンポ or ポーズ or レンジ)。
ピリオダイゼーション
ピリオダイゼーション(Periodization)とは、トレーニング負荷(重量・レップ数・セット数)の変化を計画的に配列する手法のことです。
基本的な考え方
- 長期的視点
数週間〜数ヶ月のスパンで「強度を上げる/ボリュームを増やす/技術を磨く」などの重点を変えていく。 - 波のある設計
常に同じ負荷ではなく、意図的に強度や量を上下させることで、回復と適応を繰り返す。 - ピーキング
大会や記録更新のタイミングに合わせ、最高のパフォーマンスが出せる状態に仕上げる。
主な目的
- 疲労管理:特定の疲労を溜めすぎない(神経系、筋肉、関節等)
- 適応の最適化:異なる刺激を段階的に与え続けることで成長を持続。
- ピーク形成:試合や記録挑戦のタイミングで最高の力を発揮する。
線形ピリオダイゼーション
線形ピリオダイゼーション(Linear Periodization)は、一番基本的で分かりやすいトレーニング計画の方法で、時間の経過に応じて段階的に強度を高め、レップ数を減らしていきます。
基本的な考え方
- トレーニングの初期は低重量・ 高レップ・高ボリューム から始めます。
- 週や月が進むにつれて、レップ数を減らし、高重量・低レップ・低ボリュームにシフトします。
- 必要であれば高重量・低レップ(1〜3回) にまで持っていき、ピークを作ってMAX挑戦や試合に備えます。
目的:基礎的なハイレップトレーニングから徐々に強度を高め、体や神経をならしつつ最終的に高重量へ到達することです。
期間設計:1サイクル4〜12週が多いです。
サンプル:
- 1週:80~85%1RM×8×5 (MAX100kg:80kg×8×5)(フォーム・ボリューム重視)
- 2週:85~90%1RM×5×5 (MAX100kg:85kg×5×5)(筋力・ボリュームの中間)
- 3週:90~92.5%1RM×3×5(筋力)
- 4週:95%~100%1RM×1×5、最終日にMAX測定
メリット:シンプル・再現性高。初心者〜中級者に最適。
デメリット:
刺激が単調になりやすく、停滞(プラトー)が起きやすい。長期に渡って同じ方向に進むため、途中で試合や記録挑戦が入ると調整が難しい。
非線形/波状(週内や週ごとに帯域を入れ替え停滞回避)
週単位や日単位で強度とレップ帯を入れ替える方法。
例えば「月曜は高重量・低レップ、水曜は中重量・中レップ、金曜は軽重量・高レップ」と変化をつける。
刺激が頻繁に切り替わるため、いわゆる「刺激に慣れる」ということが少ない。
頻繁にメニューが変わるので心理的にも続けやすい。
期間設計:4〜8週を1ブロック。週ごと(または週内)に波を作る。
週内波状の例(ベンチ3回/週)
- 月:ボリューム 1RM80% 8×5
- 水:バランス 85% 5×5
- 金:強度 90% 3×5
メリット:
- 停滞しにくい/体調に合わせた微調整がしやすい。
デメリット:
- 毎回異なる強度設定になるため、体力管理や回復の予測が難しい。
- 特定の1RMピークを狙った調整には向かず、汎用性が低い。
- 個別性が高くなりがちで再現性が低い。
DUP(Daily Undulating Periodization)
非線形ピリオダイゼーションのうち、同じ週の中で強度・量・技術の日を分けて回す方式をDUPと言います。
同じ週に異なる目的を明確に回すのがDUPです。
DUPサイクル例:
- Day1(量):1RM75% 10レップ×5セット
- Day2(強):トップシングル(1RM95%以上)+1RM92.5% 3レップ×5セット
- Day3(技):80% 5×5(テンポ 3-1-2-1、動き重視)
メリット:
一週間で多面的刺激/停滞回避。
デメリット:
- プログラム設計が複雑になり、初心者には管理が難しい。
- 各日の狙いが曖昧だと、疲労の蓄積で成果が散漫になる可能性がある。目的意識を持ってそれを達成できる上級者向け。
注意:目的混同に注意。週内の累積疲労を見て微調整(量→強→技の順が無難)。
ピリオダイゼーションの詳細記事
ベンチプレスが伸びない人へ|ピリオダイゼーションで停滞を抜けてMAX更新する方法
まとめ
ベンチプレスのセットの組み方は、「どのくらいキツいことをやるか」ではなく、
- どんな目的で
- どんな型(パターン)で
- どんなルールで継続するか
を決めることが本質です。
この記事ではセットの組み方を
- 重量パターン(ストレート/アセンディング/トップ+バックオフ/ディセンディング/ピラミッド/ウェーブ)
- 強度・回数管理(RPE・VBT・AMRAP)
- インターバル管理(固定/漸減/漸増/EMOM系)
- テンポ・レンジ操作(テンポレップ・ポーズレップ・パーシャル)
- ピリオダイゼーション(線形/非線形/DUP)
の5つの観点に分けて整理しました。
1. まずは「目的とルール」を決め
- 「フォームを固めたいのか」「MAXを伸ばしたいのか」「ケガを減らしたいのか」を言葉にする
- その目的に合った 重量パターンを1つ選ぶ(まずはストレート or トップ+バックオフが第一候補)
- 「何kg×何レップ×何セット」「どこまで頑張るか(RPE/VBT)」「休憩はどうするか」というルールを決める
- 最低3ヶ月はコロコロ変えずに続けて、漸進性過負荷(少しずつ重量・レップ・セットを増やす)を徹底する
ここを外してしまうと、どんな高級なメニューでも「なんとなく頑張っているだけ」になり、再現性も経験値も積み上がりません。
2. 重量パターンは「ストレート」と「トップ+バックオフ」が土台
- ストレートセット
- 同じ重量×同じレップを繰り返す基本形
- フォーム習得・比較のしやすさ・累積疲労の使いやすさから 全レベルの第一選択
- トップ+バックオフセット
- 最初に「その日の一番キツいセット」を置き、残りをやや軽め/レップ数調整で積む
- 強度+ボリューム+フォーム修正を同日に両立できる万能パターン
この2つが押さえられていれば、アセンディング/ディセンディング/ピラミッド/ウェーブなど、他のパターンも理解しやすくなります。
3. 「どこで止めるか」を決めるのが強度・回数管理
- RPEやバーベル速度(VBT)で「ここから先はやらない」というブレーキを作る
- AMRAP(限界まで)は 全体の2割以下 のイメージでポイントだけに使う
- いつもRPE10で潰れる or いつもRPE7で終わる、のどちらかに偏らないようにする
「普段はRPE8〜9で止めつつ、ときどきAMRAPで限界を押し上げる」くらいのバランスが、フォームと記録を両立しやすい設計です。
4. インターバルとテンポで「質とタイパ」を調整する
- インターバルは
- 基本は 固定 or 漸増(後半長め) で1セットごとの質を確保
- 時間がない人はEMOM/E3MOMも選択肢だが、1RM更新期にはやり過ぎない
- テンポ・ポーズ・パーシャルは
- 弱点(ボトム・軌道・ロックアウト)にピンポイントで使うスパイス
- 一度に変える要素は1つだけにして、何が効いたのか分かるようにする
5. ピリオダイゼーションで「長期戦」を戦う
- 4〜12週くらいのスパンで
- 「レップ多め・フォーム&筋肥大」→「レップ少なめ・筋力」→「高強度でピーク」
という流れを作る
- 「レップ多め・フォーム&筋肥大」→「レップ少なめ・筋力」→「高強度でピーク」
- 初中級は シンプルな線形ピリオダイゼーション+ストレート or トップ+バックオフ で十分
- ベンチ頻度が高くなり、扱う重量が大きくなってきたら、非線形・DUPなどで微調整していく
6. 最後に:これらで2〜3通りに絞る
この記事の内容を組み合わせれば、ざっくり300通り以上のセットの組み方が作れます。
ですが、実際に必要なのは
- 「自分の今の課題」に合った 2〜3パターン
- それを 3ヶ月以上続ける覚悟
- そして、少しずつ負荷を上げていく「漸進性過負荷」
この3つだけです。
もし、
- 今の自分にどのセットが合うか分からない
- 解説を読んでも自分で組むのが不安
という場合は、うつベンチLINE公式アカウントで無料のメニュー作成&フォームチェックも活用して下さい。

この記事の内容をベースに、あなたの課題に合った「たった1個のセットの組み方」まで一緒に絞り込んでいきましょう。











